しろしろ

素人のように考え、素人として実行する(ってダメじゃん!!)

本と雑誌

ドコモdブックの話と要望

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ここ一年ぐらいで電子書籍の購入量が増えている。今新規で買うシリーズの漫画や小説のたぐいははすべて電子書籍で買うようにしている。その方が、場所をとらないし、持ち運びの手間もすくない。 

電子ブックストアはアマゾンを始め、山ほどあるけども、その中でも一番使っているのはドコモのdブックだ。

理由はいくつかある。まず、何よりも経営の安定性。実は電子書籍は購入者には完全には所有権が移っていないのだ。だからそのストアを退会してしまったらデータにアクセスできなくなり読めなくなってしまう可能性が高い。また、そのストアが倒産してしまったりしても、書籍が読めなくなって払ったお金がすべてパーになる可能性があるのだ。そこはよく気をつけないといけない。この辺は音楽配信でもそうだ。

末永く電子書籍にアクセスできる、という事を考えると、大手かつ事業継続性が確実な会社となる。アマゾン、楽天、等々となるが、アマゾンは外資で払ったお金の多くが海外に流れるので、国内コンテンツの育成、その商売の中立性を考えると携帯キャリアが良いのではと考えたので使っている。

あと、もう一つ特筆したいことがあって、dブックは結構無茶な安売りセールが多いのだ。昨年入った頃には毎月月末にポイントで半額ぐらい戻ってくるセールが連発されていて、実際に支払った額の倍の電子書籍が手に入れられていた。今この記事を書いている8月にも、20%ポイントバック、新規登録なら60%バックになるセールが開催されている。

ドコモの支払いをdカードGOLDでやっていることもあり、dポイントがたまりまくっているので、最近はそればかりで支払いをしていて、現金やクレジットでの支払いが発生していない。なので実質無料で電子書籍が積み上がっている。最近のdポイント大盤振る舞いもあり、ドコモユーザならdブックでコンテンツを買っていて間違いはないと思う。 しかし、ドコモdブックは、ドコモの回線契約がなくても会員になれて契約ができるので、多くの人にも利用を検討してもらいたい。

ただ、ユーザとしては結構不満に思っていることがある。ここでいくつか述べさせていただいて、関係者の目にとまったら是非改善についてご検討いただきたい。

■dブックが使いにくいポイント
ストア
  • 電子書籍が非常に探しにくい
まず、ジャンル分けががおおざっぱすぎて、ジャンルをクリックしたあとは、ストア内での販売実績件数で上位がずらずら出てくるだけで、自分の趣味に合わない本が続く。リアルな書店では、店頭に並んでいる話題の書籍などをザッピングして手に取ることが多いが、そういうことが全くかなわない。漫画だけでなく文芸書も含めてもっといろんな本を紹介するポータルページなどを充実させてほしい。

アプリ
  • 本が増えてくると「マイ本棚」の一覧が長くなってしまうので、自分でフォルダなどを作って整理できるようにしてほしい。
  • コミック以外のジャンルの場合のシリーズ物がアプリにはシリーズと認識されておらず、マイ本棚上でずらずらならんでしまうばかりか、続刊情報が届かない。少なくともラノベ系や推理小説のシリーズものなどをシリーズとして扱ってもらえると助かる
  • その書籍ごとの拡大率を覚えておいてほしい。小説などでを読んでいる際に、文字の大きさを読みやすいサイズにセットしてから読んでいるが、一度書籍一覧に戻って、もう一度その書籍に戻ると拡大率がリセットされてしまう。
  • しおりの上限数をもっと増やしてほしい。1つの本で2つ迄というのはあまりにも少ない。ほぼ無制限にして欲しいし、しおりにメモを書けるぐらいに充実させてほしい。少なくとも、2件すでにしおりがあると警告が出た際、いちしおりを消す操作をした後、改めてしおり追加操作を実施しないといけない、というのは改善してほしい。消す操作をしたらそのまましおりを追加してほしい。
  • 書籍表示中のスライドバーの%の数字を、もっと細かい桁までの表示にするか、ページ単位の表示にしてほしい。村上春樹「村上さんのところ コンプリート版」という書籍を延々と読んでいるのだが、おそらくこれが私のスマホの画面表示で数万ページ送り(?)分もある。さきほどのしおりの件とも関係するのだが、うっかり、そのスライドバーに触れて移動させててしまったり、アプリに読んでいたページを忘れられてしまうと、元に戻るのが大変。
以上。
安心して使える上にさらに便利というポイントをドコモには加えていただきたい。

人工知能 人類最悪にして最後の発明 を読んだ



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ジェイムズ ・バラット著 人工知能 人類最悪にして最後の発明を読んだ

この本は人工知能が進化していくことで引き起こされるかもしれない人類の破滅を警鐘している本。人工知能の進歩が進み、自ら進化していく人工汎用知能が完成した瞬間、人間を超越する超知能に自ら進化し、人間を滅ぼすのではないかという懸念を論じている。 

人工知能は直接の意図をもって、人間を滅ぼそうとするのではなく、AI自身の究極の目標に向かう手段として、結果的に人間のあらゆる資源を使ってしまい人を滅ぼすとするというもの。人間の細胞分子自体が、物質を変換するナノマシンの材料にされてしまうというシナリオが書かれている。

「ターミネータ」のようなフィクションSF的で荒唐無稽な話ではなく、多くの端緒的な事例、著者の考え方と同じ懸念(脅迫観念に近いを)持つ有識者とのインタビューなどの膨大な取材に基づき、綿密に検討された著者の懸念は冷静に理解できる。「シンギュラリティー」のカーツワイルなど、著者の考える懸念はなくむしろ人類が進化するチャンスと捉える人々の見解も見ることが出きる。

上記カーツワイルの他、マービン・ミンスキー、ドナルド・ヘッブ、フランク・ローゼンブラット、ピーター・ノービグなど、AI、ニューラルネットワーク(ボルツマンマシン)に関する人々の名前が出ていて、最近のAIの基本知識をある程度持っている方なら興味深く読むことが出来るだろう。

個人的には、著者が懸念しているような状況が、あと10年~20年で来るとはとても思えない。しかし、近年、機械学習(machine learning)と呼ばれる分野や、ロボット工学、インターネットなどの、要素となる技術の発展が著しい。複雑系が統計力学的に作用した結果、あたかも人間を滅ぼそうとする意図を持っているかのように人間やインフラにダメージを与えるという姿も、イメージが持てる。また、原発の事故のように、システムの僅かなほころびが重大な事故につながるということも、確かに理解できる。

破滅の事態を防ぐ手段としては、私は著者が考える理論の構築ではなく、環境やAI自身の多様性が鍵になると考える。結局、イランの核施設を破壊したウイルスが攻撃者の意図とは裏腹に逃げ出してしまったのは、LANとインターネット両方で使われるプロトコルが同じだったからだ。また、例えばナノマシンによる攻撃には、それから守るナノマシンを開発しておくことで、事態を緩和することが出来るだろう。結局はシステムには、システム自身が予測できないほどの複雑系で対抗するしかないと考える。

天気予報の世界を見ていれば分かるように、どれほど精緻な理論が出来ても、将来を完璧に予測し対処して振る舞うことは機械であっても不可能なのだ。なので、著者が述べている、理論の構築は直接的な防衛には役に立たないだろう。



以下の本も、参考までに。
 

niconicoで電子漫画コンテンツを買う

 

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最近、漫画コンテンツをニコニコ動画のサイトでいくつか買ってみた。去年、プロバイダのキャンペーンで5000ニコポイントもいただけたのだが、使えてなくてその使い道として買ってみたというのがきっかけ。

本当のきっかけは、ニコニコ静画で試し読みコンテンツを見て、続きが気になったりしたのを買ってみたと言うところだ。

本を買う時って本当に書評が分かっていて自分が読みたくなっているのならいいけど、分からないと賭けみたい所がある。特に、漫画だと1巻だけ買ってつまらなかったら本当にムダ感が強くなる。やはり内容をある程度わかっていると大分買う際の障壁が下がる。

まあ、毎週雑誌を読んでいれば漫画の目利きも出来て良いのかもしれないけど、そんな暇はないし。この歳になれば会社で漫画雑誌の話などしない。なので、最近、なかなか自分が面白いと思う漫画に出会えなかったが、電子書籍だとサイトイチオシの漫画のためし読みで当たりを付けられる。ここが最大の利点かも。

そんなわけで、ダラダラしてた時に試し読みして、使えずにいたポイントで一気にまとめ購入してみた。

読む環境としてブラウザとAndroidアプリ両方を使ってみた。システムの使用感の感想としては、まあ、ひまつぶし的には十分なクオリティだけど、テキストの電子ブックに比べても画像なのでパラパラめくるようにページめくりが出来ない。データをDLしたり、表示に時間がかかるのが気になる、といったところ。

まあ、それでも本棚の物理的スペースを取らないというのと、端末さえあればいつでも、何処でも読めるというのはなかなか良い。

試し読みに関しては、アマゾンなんかだと紙の本でも一部試し読みができるが、ショップのIFの中で読むことになるのでやや使いづらく、試し読みが購入意思決定に結びついたことはなかった。実際に読むのと同じ環境で試し読みできるということも、電子書籍のIFとして重要なのかもしれないと思った。

そして、編集のしやすさという電子書籍の利点を生かして、試し読みコンテンツのような読者と接触するためのコンテンツを作り出すことで、実は読者の裾野を広げやすいという側面もあるのではないかと思った。

日本語の年輪を読む4

大野晋「日本語の年輪」についての続き

■「こわい」という語

お赤飯「おこわ」ということにのこっているが、「かたく、つっぱっている」が本来の意味。

恐ろしいものに出会うと、体中の筋肉が硬直することから、室町時代ごろから使われ始める。方言で「疲れた」を「こわい」というのは、筋肉が固くなることから変わっていったもの。

■さち(幸)

幸の語源は、「矢」。矢は、弥生時代に金属のものが朝鮮からわたってきたが、朝鮮語では矢のことを「サル」という。朝鮮語のルの音は、ツの音またはチの音と対応することがある。よって金属の矢のことを日本語ではサツヤと呼んだ。民俗信仰で、矢の霊力のことを「サチ」といった。サチが良ければよい獲物が手に入る。サチという言葉は、そのまま獲物を意味するようになって、獲物があることは幸福なことからサチは幸福を表すようになった。

やっぱりお腹一杯な状態が、一番の幸せという事ですな。

「日本語の年輪」を読む3

大野晋「日本語の年輪」についての前回前々回記事の続き。

この本でロマンを感じる、好きな話がある。

それは、英語でいうところのお米「ライス(rice)」という単語について、同じ語源から来てほぼ同じ意味の単語が日本語にあるという話だ。

それは、もち米を表す「ウルチ」という言葉だ。

「お米」を表す単語は、英語・ドイツ語で「ライス」という。イタリア語では「リゾ」(リゾットという料理がありますよね)とよび、フランス語の古語では「リス」といいます。これらは、ラテン語の「オリザ」という単語が語源となっているということが言語学で分かっているそうです。

ラテン語の前は、ギリシア語で「オルザ」といったそうです。その単語を更にさかのぼって行くと、インドの教典ベーダ中の単語「ヴリーヒ」が語源となっているそうです。

ヴリーヒは、「ヴルーヒ」とも言い、それがマラヤ地方では「ブラス」と呼ばれ、台湾では「バルチ」となり、日本に入って「ウルチ」と伝わったそうです。

西洋の端っこと、東洋の端っこで使われている単語が、同じ語源から発生していて、数千年という時を経てほぼそのままの意味で使われているって、なんかすごいと思いません?

九州や東北の方言が、京都で使われていた古い言葉が語源でそのまま残っている、という話を聞いたことがあるのですが、それの世界版。