3年間に渡って運営され私もソシャゲコミュニティの観察のために参加してきたMMRPG「Mu:奇蹟の覚醒」ですが、残念ながらやっぱりサービス終了(サ終)の運びと相成りました。2022/6/20にサービス終了しまして、この観察報告も本報をもって最後となります。
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■突然高額アイテム のガチャそしてサ終アナウンス
まあ、ユーザも明らかに減ってきていたので、出血しながらサービスを運営する覚悟でなければ、そろそろ頃合いだよなとは思っていたのですが、その予兆はこんなふうに始まりました。
ゲーム内のストアでは、日替わり・週替りで特別なアイテムの宝箱の販売があるのですが、4月のある日、突然、最強武器の出るガチャ宝箱の販売が行われました。確か10万~20万円くらいだったと思います。個数限定だったのですが、それをポンポンと買う人がいて、過疎ゲーなのにすごいなと思ったりしていました。私はそんな金があれば、貯金したり投資します。はい。
しかし、5月に入るタイミングで、その特別な販売がなくなったんですね。最初はゴールデンウイークのせいかなとも考える余地がありました。しかし、少ないながらも実施されていた定期イベントの告知もなくなりました。なんか、ほんとに毎日の日課だけをこなすだけのゲームになってきたのです。
そろそろやばいかなーって、みんな思っていた頃にTwitterでサ終の周知。みんな、あーやっぱりという感じでした。
しかし、運営もエグい。なぜ最後の最後に搾り取れるところから搾り取ろうと、あからさまなことをするのか。海外運営のゲームはちょっと気をつけたいです。
私としてはそろそろ観察は終わりにしたいと思っていたので丁度よかったのですが。ちょっと前に中国語との翻訳機能が実装されたので、中国とのサーバ統合されて永遠に続いたらどうしようと思っていたぐらいです。
■俺達がんばったよな
サ終アナウンス後の雰囲気です。
もともとこのゲーム(他のゲームもそうなのかもしれませんが)3年前のサービス開始直後以降は新規ユーザはほとんど増えていなかったと思います。宣伝はされてませんでしたから。なので、今いる人たちは卒業していった人たちを見ながらコツコツ3年間、やたら日課の拘束時間の長いこのゲームをやってきた人たちなのです(私も結構時間かけていました)。あー、やっと終わるなという何か安心感のような雰囲気が漂っていました。「俺達がんばったよな」というチャットのメッセージが印象的でした。
早速、さよならの挨拶とともにインしなくなる人、イン時間が減る人、そして、案外と淡々とサ終までゲームを続けようとする人に分かれます。
■サービス終了が分かっていも
私は、最後まで居残り続ける人たちを観察することにしました。慣性というか惰性なのでしょうか。もはや意味もなくっている日課を淡々とこなし、残ったプレイヤーとのチャットを楽しみ、この後に及んで理不尽なPKを続けるプレイヤーに文句を言い続けるという暮らしを続けます。
意外と毎日ログインする人数はいた気がします。愛着というのでしょうか、メンバーとのチャットなど、過疎ゲーであってもそれはそれで参加していた人にとっては大事な居場所だったということなのかもしれません。
私も、観察ついでに、なんとなくやり残したと言うか、クリア出来なかったイベントにチャレンジするために少しでも攻撃力を上げるためにコツコツ日課をしてたりしてました。
■長く続くギルドとは
幸いにして私は所属ギルドに恵まれていたほうだと思います。脱落者の少ないギルドは、ゆったり+強ユーザがいるというのが条件だと思いました。多少素行の悪い方もいましたが、専守防衛のほうが他のギルドの方とのいがみ合いも少なく、楽しく遊べると思いました。
もう一つ、実はヒール(悪役)に徹するギルドやプレーヤーがいたからこそ面白かったのかもしれません。異常とも思える課金でものすごい戦闘力を持ち、ところ構わずPKする方々が集まったギルドがあったんですね。そんなギルドに自分はいたくないと思いますが。
そういう荒くれプレイヤー対策を立てるなどしてたからこそ、連帯感も生じ、楽しみもあったのかもしれません。
どのゲームも同じかもしれませんが、高額課金者の圧倒的な戦闘力を盾にしたPK(Player Kill)はちょっといただけない印象がありました。ガードとかそういう仕組みがないゲームでしたので近づいただけで瞬間で死んでしまうようなケースはちょっと興ざめです。そこは面白みがなかったです。廃課金者同士だけでしか殴り合えないような仕組みとか、 マンガとかにあるようにすぐには死なず、瀕死でも一矢ぐらいは報えたり、参加だけでイベントの基本的な報酬の条件はクリアできるような仕組みがあればと思いました。殺されまくって、イベントの基本報酬獲得もままならないのでは時間かけて参加しているユーザとしてはつまらんです。ゲーム会社の人には参考にしてもらえれば。
コミュニティという観点では、何回か書いていますが、普段接点が無いような社会的立場の人たちとつながれたり、様子を伺い知ることが出来ました。ひょっとすると投資とか会社経営して本当に余裕がある人もいたのかもしれませんが、文字通り身を削るようになけなしの金で課金をしている立場が伺える人もいました。最初にも書きましたが、中学生、高校生、大学生、トラック運転手、飲食店な方、アパレル店員、警備員、 OL、私のように内勤のサラリーマン、建築系、パチンカー、パチンコ店員、お父さん、お母さん、姉弟、おばあちゃん、おじいちゃん、臨月を迎えた妊婦の方、不倫中の方、あと留学生のような外国の方。私としては普段接点のない、そういった方々のチャットを見るのは大変参考になりました。
■この営みは繰り返されるのか
今回まで、スマホソシャゲでの様々な事例を見てきたのですが、果たして普遍的なものなのでしょうか。
実はこのタイトル、MuオリジンⅢとして8月にまた続編のようなゲームが始まるようです。そこに参加すれば分かるかもしれせん。でも、私は、参加しないつもりです。誰か、この奇蹟の続きを目撃したら報告してくれればと思います。
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